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ものづくり補助金(第23次)情報通信業の活用ガイド|AI・SaaS開発から業務システム構築まで

最終更新:2026/6/17|監修:中小企業診断士・認定経営革新等支援機関

情報通信業こそものづくり補助金を活用できる

ものづくり補助金(製品・サービス高付加価値化枠)は、自社の技術力を活かした革新的な新製品・新サービス開発を支援する制度であり、AIシステム・SaaS・業務プラットフォームなどの開発に取り組む情報通信業との親和性が高い補助金です。補助上限額は従業員数に応じて750万円〜2,500万円(補助率1/2〜2/3)で、専用ソフトウェア・情報システムの構築費なども対象経費に含まれます。第22次では業種を問わず多数のシステム・AI開発案件が採択されており、第23次でも同様の取り組みを検討する中小IT企業にとって有力な選択肢です。

この業種の採択事例

  • CS業務の判断を高度化するVoC解析AIの開発

    想定概要:顧客の声(VoC)データをAIで解析し、カスタマーサポート担当者の判断精度と対応速度を向上させるシステムを開発した取り組みと考えられる。

  • 業務を革新オンプレミスAIエージェント「WithAI」の開発

    想定概要:社内データをクラウドに送らずオンプレミス環境で動作するAIエージェントを開発し、情報セキュリティに配慮しながら業務の自動化・効率化を実現しようとした取り組みと推測される。

  • 中小製造現場向け3D技能伝承AIシステムの開発

    想定概要:製造現場の熟練技術を3Dデータ化・AI化することで、技能の可視化と次世代への伝承を支援するシステムを新たに開発した取り組みとみられる。

  • EC事業者向けAI搭載型画像・原稿の最適化・自動配信サービス

    想定概要:EC事業者の商品画像やキャッチコピーをAIが自動最適化し、複数チャネルへ配信する新サービスを開発・提供する取り組みと考えられる。

  • 医療現場向けシフト調整支援システムの開発

    想定概要:医療機関のスタッフシフト作成を自動化・支援するシステムを開発し、複雑な勤務条件の調整にかかる管理工数を削減しようとした取り組みと推測される。

  • 複数チャネル統合型ツアー予約管理システムの開発・販売

    想定概要:旅行・観光事業者向けに複数の販売チャネルの予約情報を一元管理できるSaaSを新規開発し、業務効率化と販売機会の拡大を図る取り組みとみられる。

情報通信業で対象になりやすい設備・経費

情報通信業において最も活用しやすい経費は「機械装置・システム構築費」で、新サービス開発のために構築する専用ソフトウェア・情報システムが該当します(単価50万円税抜き以上の設備投資が必須)。クラウドサービス利用費も対象で、開発・稼働に必要なクラウド基盤の利用料を補助事業実施期間内の分に限り計上できます。外注費は補助対象ですが、機械装置・システム構築費以外の経費は合計500万円(税抜き)が上限となる点に注意が必要です。技術導入費(特許・ノウハウの導入)や知的財産権等関連経費も組み合わせることで、開発から権利化までをカバーできます。

申請で押さえるポイント

最重要要件は「革新的な新製品・新サービスの開発」であること。既存サービスの機能追加・保守・改善にとどまる案件は補助対象外となるため、顧客に新たな価値を提供する開発であることを事業計画書で明確に示す必要があります。また、同業他社に既に相当程度普及しているシステムの開発も対象外とされており、自社技術の独自性や競合との差別化を具体的に記載することが審査上のポイントです。交付決定前の発注・契約は一切補助対象外となるため、採択・交付決定のスケジュールを見越した開発計画の設計が不可欠です。海外展開を視野に入れる場合はグローバル枠(補助上限3,000万円)も選択肢となりますが、海外事業の実現可能性調査や専門人材の確保など追加要件への対応が求められます。

事業計画書作成で意識すべき視点

審査では「技術的な革新性」と「市場・顧客ニーズの裏付け」の両面が評価されます。ターゲット顧客が抱える課題・既存ソリューションの限界を具体的に示したうえで、自社が開発する新サービスでどう解決するかを論理的に記述することが重要です。開発スケジュールについては、「極端に短い開発期間」と判断されると事務局から事業遂行困難と判断される場合があるため、10か月の補助事業実施期間内に無理なく完了できるマイルストーンを設定してください。売上・利益計画は補助事業終了後3〜5年の数値目標を求められるため、新サービスの価格設定・想定顧客数・収益化経路を現実的な根拠とともに示すことが求められます。

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よくある質問

Q.SaaS型の新サービス開発は補助対象になりますか?

自社の技術力を活かして顧客に新たな価値を提供するSaaSの新規開発は、専用ソフトウェア・情報システムの構築として機械装置・システム構築費の対象となりえます。ただし既存サービスの改修・機能追加にとどまるものや、同業他社に既に普及しているサービスの開発は対象外とされているため、事業計画で独自性・革新性を明確に示すことが必要です。

Q.外注で開発を行う場合、外注費はどこまで補助対象ですか?

外注費は補助対象経費に含まれますが、機械装置・システム構築費以外の経費(外注費を含む)の合計は500万円(税抜き)が上限です。また、補助事業者自身が主体的に事業に関与していることが前提となり、事業のほぼすべてを外注するケースは認められない場合があります。詳細は公募要領で確認してください。

Q.AI開発に必要なGPUサーバーの購入は対象になりますか?

専ら本補助事業のために使用する機械・装置として、単価50万円(税抜き)以上であれば機械装置・システム構築費として計上できる可能性があります。ただし「専ら本事業のために使用される」ことが要件であるため、他の業務と兼用する場合は対象外となる恐れがあります。具体的な適否は公募要領および事務局への確認が必要です。

Q.クラウドサービスの利用料はどの範囲まで補助対象ですか?

補助事業実施期間内に補助事業のために利用したクラウドサービス利用料が対象です。契約期間が補助事業実施期間を超える場合は、期間按分後の実施期間分のみが対象となります。なお、機械装置・システム構築費以外の経費として500万円(税抜き)の上限枠に含まれる点に留意してください。

出典:ものづくり補助金 事務局サイトものづくり補助金 第22次 採択者一覧公募要領 第23次 p.8 3.1公募要領 第23次 p.9 4B)公募要領 第23次 p.11 6公募要領 第23次 p.21 5.1公募要領 第23次 p.25 7.1公募要領 第23次 p.26 21機械装置・システム構築費※

監修:松下 大(中小企業診断士/認定経営革新等支援機関)

公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/6/17